ブルーリップ
プロローグ
"孤高のプリンセス"
マスコミは私にそんな、中二病メルヘンみたいなあだ名をつけた。
「若葉ちゃんは、どんな男の人がタイプ?」
「えっと、オシャレな人かな。」
テレビに映っていると、ファンが出来て、周りが様々な視線を送る。
あだ名がつけられるし、写真もいっぱい撮られる。
全部、かったるいと思った。
こんなはずじゃなかった。
そう、こんなの違う。
「今度の新作ドレスは、何をイメージしていますか?」
記者は、一度だってこういうデザイナー扱いした質問を投げたことはない。
質問しにくる記者は、アリみたいにたくさん居るのに、一人も。
「若葉ちゃんが今度出演するクイズ番組は…」
くだらない。くだらない。くだらない。
馬鹿ばっか。クズばっか。ゴミばっか。
ねぇ、誰か私を認めてよ。
誰か気づいて。
私はデザイナー。
デザイナーでありたい。