【続】隣の家の四兄弟
外人張りに、『ノーッ!!』って叫びたい。いや……それこそ、チハルみたいに、陽気に笑ってごまかせたら……。
胸にあててたはずの両手を今度は頭に乗せて、すっかり暗くなった夜空を見上げては、安いサンダルを履いた自分の足をみるように項垂れたり。
悶絶したり、赤面したり、青褪めたり。
変なことを口にしないようにしようとすると、今度は変な行動をしてしまってる自分に、私は気付いてなかった。
「……百面相は終わったか?」
「!!」
そんな自分の失態に気付かされるのは、大抵コイツのひとこと。
「なっなななな、なによっ……」
なによ……なんで、いつもと同じなのよ。
いっつもそう。私ばっかり。
「ああ。珍しいな……」
「はっ、はあ?!」
「星」
「え……」
星?
聖二の顔を見たら、いつもよりやや上向きになった横顔が視界に入る。
その視線の先を私も追ってみると、真っ黒な空に、微かに輝きを見せてたひとつの星が。
「あ、ほんとだ」
こういう街中では、生活の灯かりが全部なくなることなんかないから。
だから、星なんて、なかなか見えることなんかない。
今にも消えてしまいそうな光を見てたら、ボソリと横から聖二が言った。
「……チハルは?」