【続】隣の家の四兄弟
聖二か‼
パッと首をまわすと、ほとんどの女子が頬を緩ませて聖二を見てる。
私はいつも顔を合わせると、憎たらしいことしか言わない奴って思ってたから忘れてたけど、聖二ってイケメン……?
客観的に聖二を遠巻きの生徒と同じように眺める。
長い足に、スラリとした身体。
鼻筋が通ってて、その両側には涼しげでクールな目元。
うわ! もしかしなくても、結構イケメンじゃん!
危うく声に出しそうになったのを、ぐっと堪えた。
聖二が来て、こんな感じなら、浩一さんが来ても同じだったんだろうな。ていうか、もし二人揃ってくることがあったなら、きっと囲まれちゃうこと間違いなし!
「芸能人か! サインとか!」
「はぁ? 美佳、なんか言ったか?」
「……学校でもやっぱりそんななのか、お前」
一人突っ走った妄想ののち、ボソリと言った言葉に聖二と三那斗から鋭いツッコミが入る。
「や! だ、だって、聖二が……」
そこまで言いかけて、自分で口を抑えた。
ヤバイ。だって、もうほとんどの生徒が下校してるとはいえ、まだこうやって私たちを見てる人がいるし。
下手な発言したら、面倒なことになる、ゼッタイ!
ただでさえ、三那斗との関係ででも色々言われてるのに!