【続】隣の家の四兄弟

アキラside



『ここがいい』


――なによ、チハルのやつ。
ちゃっかり、あのミカって子といい感じなんじゃない。


私は生徒の採点の手を止めて、今しがた切った電話を見つめた。

兄妹と言っても、高校あたりからはお互い忙しく過ごしていて、あまり関わる時間はなかったけど。

チハルって、ああいう子がタイプだっけ?

遠い記憶を呼び起こして見ても、あまりピンとこない。
まー確かに、可愛らしいといえばその部類かしらね?わたしとはタイプの違う子だから、比べようとも思わないけど。

ただ……セイジとあの日二人でいたのがちょっと引っかかるけど。
でもどうやら、ただの〝お隣さん〟みたいだし?ぐんと大人になったセイジのあの雰囲気から、あの子どもみたいな子を相手するようにも思えないし。


「ま、関係ないか」


ペンを置いて、携帯のカレンダーを確認する。

それよりも、明日は待望の休日。


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