【続】隣の家の四兄弟
コウちゃんほど、言葉には表さなかったけど、普通に話はしてくれてたし、セイジもコウちゃんとやっぱり同じでとても優しかった。
わたしがたまに、セイジの家にチハルと預けられてたとき。
わたしはいつも〝預けられた〟ことに不満で、部屋の隅に膝を抱えて座っては、みんなを困らせてた。
『アキラ。いつまでそーしてんの?』
チハルはいつものこと、と、呆れ声を降らせる。
『アキラちゃん。一緒にあそぼう?』
そう優しく目線を合わせて語りかけてくれる、コウちゃん。
子供ながらに、その紳士的な態度に心が開きかけて。
『アキラ!アキラの好きなおやつだ!俺のぶんも食べていいから!だから、いい加減笑ってよ。こっちでみんなであそぼう』
最後にわたしを動かすのは、なぜだかいつもセイジの役目だった気がする。