【続】隣の家の四兄弟
ピンポーン。
聖二の余韻がまだ残っているベランダにインターホンの音が聞こえた。
うち…?だよね…。
聖二のことが気になりつつも、私は玄関へと向かう。
「…はい?」
「荷物お届けに上がりましたー」
玄関を開けると宅配便の人が大きな段ボールをひとつ抱えて立っていた。
それを玄関に置いて貰ってサインをする。
「ありがとうございましたー」
宅配便の人が去って行った後、その大きな荷物がなんなのかを確かめるべく伝票を見てみる。
―――中川夏実(なつみ)様……お母さん宛だ。
差出人は…中川樹(いつき)?お父さんじゃん。
夫婦でなに送り合ってんの?
大体近いところで働いてるから顔は合わせるはずなのに。
不思議に思ってその段ボールの封を開ける。
「そんなに重そうじゃなかったけど…」
ブツブツと得意の独り言を言いながら中をそっと見てみる。
「なに、これ」
……枕??
あとは男物の洋服がほとんど。
服ってことは、お母さんの仕事で使うものかな。
でも、それがなんでお父さんから??
全く意味のわからないその荷物を、私はそれ以上見ずに元に戻した。
「ま、いっか」
そして私の隣の部屋―――お父さんたちのものが混雑している空き部屋にそれを置いておいた。