【続】隣の家の四兄弟
それも今日、聖二がぼやいてた言葉。
あのときは、全然意味もわかんないし、そのままスル―しちゃったけど。
お母さんの話を聞いた後、『もしかしてこのこと?』って思っちゃって……。
一向に口を開かない聖二をじっと見つめる。
なにかごまかすように、私から目を逸らしたまま上を向いてる聖二に、核心をつくことを口にした。
「『美佳を連れていきます。俺のとこに来て後悔させませんから』……って」
本当に聖二? お母さんがちょっと盛って話したんじゃないのかな?
聖二の反応を窺うと、暗くて赤くなってるのかどうかはわかんなかったけど、羞恥に溢れた顔を隠すように大きな片手で覆った。
そして、くるりと体を外に向け、柵に腕を乗せてそこに突っ伏してしまう。
「……ほ、ホント……なの」
ま、マジ……?
この聖二が、あんなことを?しかも、私のお母さんに?!
驚き過ぎて、それ以上なにも言えない。
と、同時にものすごいうれしい気持ちが溢れてくる。
サァッと夜風が互いの髪を靡かせる。
それがおさまったときに、ぽつりと聖二が言った。