【続】隣の家の四兄弟

「…え?」


なに…?

どういう意味?
なんでそんな顔して謝ってるの?

少し恥ずかしそうな、気まずそうな。


そんな孝四郎くんを凝視してしまう。


「あ、あのー……それは、何を…」


思わず聞き返してしまう。

すると、孝四郎くんは手にしてる紙袋で顔を半分隠すようにして涙目で私を見て言った。


「…僕、こういう風に女の子誘って出掛けたことってほとんどないから…」


えっ……


ええぇぇぇえぇーーー?!!

う、嘘だぁ!!

だってあんなに携帯の中に女の子のメモリーがあった人が!
あんな路上で軽くチューしちゃってるような人が!!

絶っ対、デートなんて手慣れてて、落ち度のないエスコートしそうな孝四郎くんが!?


目の前の美少年が、堪らない程可愛く頬を染めて潤んだ目をしてる。


「…そ、その目で私を見ないで……」


可愛すぎて、こっちの方が赤くなる…。


「―――幻滅した…?」


まるで捨て犬のような…耳を垂らして『きゅーん…』と鳴いてきそうな孝四郎くんにたじたじする。


「い、いや…そうじゃなく…あまりに意外過ぎて…」


何も言えない…。


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