【続】隣の家の四兄弟
突然隣から聞こえてきた声に停止する。
今の……なに? 三那斗……?
仕切りが邪魔して綾瀬家の中は見えないけど、声のした方に視線を向けてみる。
すると、聖二も後ろを振り返り、リビングの方向を見ながらぼそりと言った。
「まぁだやってんだな……三那斗のやつもしつこいな」
「え?なにしてるの?三那斗」
「……ババ抜き」
「はぁ?!」
ババ抜き?! って、あの、トランプの?!
それって、前にもあったよね?まさか浩一さんと孝四郎くんだけを相手にあんなに盛りあがるはず――……。
「あはは!ぼくの勝ちー」
ちっ、チハル?!!
チハルの声が聞こえて来てフリーズしてると、聖二が私の気持ちを悟って言った。
「チハルとアキラが来てたんだと。俺が帰ったときにはアキラはいなかったけど。で、チハルは今晩ここで遊び倒すらしい」
「ど、どこにいるのかと思ったら……」
まさか隣にいたなんて!
ちょっと心配してたから、居場所がわかってホッとした。
だけど、ホント、これがまさに灯台もと暗し?
「……ま、うるさいけど、まだこっちのが我慢できるし」
「え?」
「……チハルがお前ンとこにいるっつーのが……俺はもう無理」