【続】隣の家の四兄弟
か、家族……?!
なにそれ!一体どういう……ま、まさか!聖二と私が、けっけけけ、結婚とか?!そういうことになったら、とかっていう?!
ボンッと顔を真っ赤にさせて硬直した私を見た孝四郎くんは、指をさして笑った。
「あははは!美佳、わかりやすーい。聖二にぃに見せてあげたい」
歳下にからかわれながら自宅へと一緒に向かうと、誰かが廊下の先に立っているのを見つける。
私と孝四郎くんは、目を見合わせて首を傾げる。
逆光で見えないその人物が、歩を進めていくごとに徐々にはっきりと見えてくる。
「あっ……アキラ?」
壁に背を向けて立ってたアキラが、私たちに正面向くように姿勢を変えた。
正直、アキラとうまく話せるかわかんない。
怒りとか嫌悪とか、そういうものは抱いてないけど、ただ単純に、なにをどう話しかければいいのかわからない。
もたもたしてる間に、孝四郎くんが口火を切った。
「どうしたの?まだなにかある?」
「『まだ』……?」
孝四郎くんの意味深な言葉に視線を向けると、孝四郎くんは「ふー」と諦めたように抜けた息を吐いて説明する。
「アキラ、昨日僕たちに色々と言ってきたから。それに答えてあげたんだけど……まだ、これ以上なにかあるの?美佳本人に言わなきゃ気が済まない?」
「……セイジは?遅いのかしら……」
「さーね。早くはないと思うけど?」