【続】隣の家の四兄弟
結局全員分のお昼を作る。
こうなると、2人分も3人分も―――5,6人分も同じだし。
勝手にキッチンを使うのは浩一さんになんだか申し訳なく感じたけど。
だけど、普段浩一さんに誘われて、一緒にここに立つことも多かった私にとって、すでに自分の家と同じくらいに使い勝手はよかった。
まぁ大体、造りがウチと同じだしね。
結局手軽な麺類―――お決まりのパスタ系にした訳だけど…。
「うめぇー!」
「おいしい!」
ありきたりな料理でもそういって誰かに言って貰いながら一緒に食べるのはやっぱり幸せだ。
「おかわりっ」
「はいはい」
やっぱり三那斗は良く食べる…。
大目に作って大正解。
そう思いながら三那斗のお皿におかわり分を盛りつける。
キッチンにはあと浩一さんと―――聖二の分。
コトリと三那斗の前にお皿を置くと、まるで食べ始めかのような勢いでまた手を付ける。
「やっぱり、下手なお店に入るより、帰ってきてよかったねー」
三那斗とは違ってゆっくりと上品に食べる孝四郎くんが水を飲んで言った。
「『帰ってきてよかった』??」
それに反応したのは孝四郎くんの横に座る三那斗。
孝四郎くんは顔色一つ変えずに、またフォークを手に取ってくるくるとパスタを巻きつけながら言う。