【続】隣の家の四兄弟
「とりあえず荷物片付けてから遊びに行くから。どっちの隣?」
「あ…1014だけど…」
「OK!夜には行く」
チハルのペースで会話が進むと、その流れで浩一さんや聖二、三那斗はひとまず隣に戻って行った。
そのまま残った私は鼻歌混じりに荷物を整理し始めるチハルをぽかんと見てるだけ。
すると、私の視線に気づいたチハルが手を止めてこっちを見た。
「あ、Tu sei un bambino?(あんたがコドモ?)」
「は…、はっ?」
ば、ばんびーの?
なんかどっかで聞いたことある気が単語だけど…いきなりじゃパニクってだめだ!
「そう。わたしの娘だ」
私が動揺してるとお父さんが代わりに答えてくれた。
「Huh...夏実サンに似てるなぁ。中学生?小学生…ではないか?」
「チハル、これでも高校生で18だ」
「Sei serio?!オレと4つしか違わないの?!」
……日本語じゃないところ、なんて言ってるかはわかんないけど…
物凄い驚いてることだけはわかる……
ていうか小学生はないんじゃない?
…確かに今日は化粧もしてないし、服も―――微妙だけど。
「ああ、ごめん。オレ、チハル」
「あ…中川美佳…です」
「ミカ!Grazie!(よろしく)」
チハルが手を伸ばしてきたから、きっと『よろしく』的なことを言ったのだと理解して手を重ねた。