【続】隣の家の四兄弟

「父さん、つい昨日までイタリアに居たんだ」
「イタリア?じゃあチハルは…」
「そう。今はイタリアで生活してるみたいだ」


へぇ…。
じゃあ両親はイタリア人なのかな?

だから顔立ちも純日本人ぽくないのもうなずけるな。


「チハルはね。モデルをやったりしてるんだよ」
「えっ!!」
「でも、いつも活動をセーブしてて…。だから美佳はあんまりわかんないか」


聞けば納得するようなことだった。

だって大体お父さんの仕事関係だったら、芸能関係だから普通のことだし。
しかもあのルックスとスタイルなら確かに一般人離れしてるし。

でも、だからって、ぱっと見ただけでそこまで推察する能力私にはなかった…。


「だけど今回父さんの仕事に協力してくれてね!いやぁ!ラッキーだ!」


急に高らかに笑いだすお父さんに呆れた視線を送りながら、不思議に思う。


「…で、どうしてウチに住まわせるの」
「今言ったろ?彼は仕事に積極的じゃないんだ」
「…意味がわかんないんだけど」
「だから、マネージャーとかもなし。全部一人で調整してる。そして今回たまたま気が向いてくれたらしくて」
「だーかーらー」


意味がわからないって言ってるでしょ!

私がそんな顔をしながら態度悪くソファの背もたれに体を投げたら後ろから声がした。


「昨日決めたことだし。ホテル生活ってのあまり好きじゃないんだ」


振り返るとチハルがそこに立っていた。


やっぱりタイプとかそういうの別にして、カッコいいし、笑顔とか話し方とか立ち方ですら別格。

うちにいること自体、ヘンな感じがする…そう、まるでバーチャル的な。








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