【続】隣の家の四兄弟
*
「あー…疲れた…」
受験生である学年だから、それなりに勉強は気を抜けなくて。
かといって目標も定まってないからモチベーションもどう保っていいかわかんない。
バスを降りて、マンションへと向かう。
朝から綾瀬家と交流して、学校で授業を受けて、帰宅する。
家にはほとんど誰も居ない。
お父さんとお母さんは仕事で出突っ張りだから。
それでも、ここに引っ越してきてからは寂しさはほとんどなくなった。
元々慣れてはいたけど、それでも完全に寂しさは埋められなくて。
そんな時に支えてくれたのが綾瀬家だ。
夜ご飯を自分で用意して、それを平らげる。
一人きりのリビングでだらだらと過ごしていると、ベランダから『カララ』という音が聞こえる。
―――帰ってきた。
その音を聞いて、私はソファから立つ。
そしてベランダに出ると、いつもの匂いがする。
「―――おかえり」
「…ただいま」
そんな普通の挨拶ですら妙に照れる。
これが例えば浩一さんや三那斗だったら、こんなに照れることもないだろうに。
綾瀬家に支えられてる私。
そして、心を占めてるのがこの男―――。
「今日は早いんだ、聖二(せいじ)」
「あー…疲れた…」
受験生である学年だから、それなりに勉強は気を抜けなくて。
かといって目標も定まってないからモチベーションもどう保っていいかわかんない。
バスを降りて、マンションへと向かう。
朝から綾瀬家と交流して、学校で授業を受けて、帰宅する。
家にはほとんど誰も居ない。
お父さんとお母さんは仕事で出突っ張りだから。
それでも、ここに引っ越してきてからは寂しさはほとんどなくなった。
元々慣れてはいたけど、それでも完全に寂しさは埋められなくて。
そんな時に支えてくれたのが綾瀬家だ。
夜ご飯を自分で用意して、それを平らげる。
一人きりのリビングでだらだらと過ごしていると、ベランダから『カララ』という音が聞こえる。
―――帰ってきた。
その音を聞いて、私はソファから立つ。
そしてベランダに出ると、いつもの匂いがする。
「―――おかえり」
「…ただいま」
そんな普通の挨拶ですら妙に照れる。
これが例えば浩一さんや三那斗だったら、こんなに照れることもないだろうに。
綾瀬家に支えられてる私。
そして、心を占めてるのがこの男―――。
「今日は早いんだ、聖二(せいじ)」