【続】隣の家の四兄弟
「ちょ!」
こ、こんな外で!
き、きききキスしたっ!
外人とはいえ、ここはニッポンなのですよっ!
思わず声をあげ、二人の元に駆け寄ろうとしたときに聞こえてきた言葉にびっくりする。
「そう!わたし、アキラ!覚えててくれたのね!」
「アキラ……えっ!アキラ⁈」
それって今朝チハルから聞いた名前!
でも「兄弟」って。「弟」って!
私の声に、聖二とアキラが驚いた顔でこっちを見る。
「あなた、誰?」
「え?えぇと……私は……」
「チハルが世話んなってるとこのヤツだ」
この場合、どう自分を説明していいのかわからなかった私に代わって、聖二がアキラにそういった。
すると今度はアキラも、警戒するような目から、心を許すような目に変わって私を見る。
そして、私の手を取った。
「Oh,チハルがお世話になってます!わたしは妹のアキラ。よろしくね」
「妹……」
「どうかしたかしら?」
「あ、いや……チハルは『弟』って説明してたから……」
「aha-……チハルは日本語、イマイチだから、単語、勘違いしてるのね」
見上げて見るアキラの顔は、とっても小さい。
彫りも深くて、目鼻立ちがくっきり。
さっき靡かせてた綺麗な髪も合わせて見たら、もうお人形のような……。
それこそアキラもモデルのように、私には見えちゃう。
そこいくと、私なんて……。
背はちびっこいし、顔も小さくないし。
不細工ではないと思うけど、飛び抜けて整ってるかと言われれば、絶対違う。
背の高い聖二に並ぶアキラが、なんだか眩しい。
私ひとり、お子様のように思えて、なんだか疎外感……。