【続】隣の家の四兄弟
隣の気になる人
浩一side
*
「あれ……?」
休日出勤から戻ると、遠くの廊下で人影が動いた。と、思えばすぐにドアに消えて行ってしまった。
あれって、ウチだったよな。ていうことは、美佳ちゃんかな?
影が消えたあたりを見据えながら歩き進めると、やっぱりウチと美佳ちゃんち付近だ。
休みだから、ウチに来てたとしてもおかしくはないけど。でも、まだこんな早い時間に帰るなんて……。
首を傾げて自分の家の表札を見上げると、玄関の向こうからなにやら賑やかな声がする。
賑やかなのに、美佳ちゃんは帰ったって……どっか具合でも悪いのかな。
不思議に思ってドアノブに手を掛け、家へと入る。
「ただいま」といつもの声量で言ったけど、どうやらまだ気付かないらしい。
足元をみると、靴が……女性物もある?
「……ただいま」
「コウちゃん? おかえりなさいっ」
え。っていうか、この女性は誰……。
「あ、おかえり」
「コウ。おかえりー」
続けて言った、孝四郎と“チハル”を見て察する。
「あ――」
「憶えてる?」
「『アキラもアキラも』の、アキラちゃん」
そうか。チハルの妹のアキラちゃんだ。
「えー。なに? それ」
口を尖らせて、拗ねるようにおれを見つめるアキラちゃんは、もうあの頃のような子どもじゃない。
女の子は変わるっていうけど、ハーフだからか、アキラちゃんはすごい大人に見えた。
「あれ……?」
休日出勤から戻ると、遠くの廊下で人影が動いた。と、思えばすぐにドアに消えて行ってしまった。
あれって、ウチだったよな。ていうことは、美佳ちゃんかな?
影が消えたあたりを見据えながら歩き進めると、やっぱりウチと美佳ちゃんち付近だ。
休みだから、ウチに来てたとしてもおかしくはないけど。でも、まだこんな早い時間に帰るなんて……。
首を傾げて自分の家の表札を見上げると、玄関の向こうからなにやら賑やかな声がする。
賑やかなのに、美佳ちゃんは帰ったって……どっか具合でも悪いのかな。
不思議に思ってドアノブに手を掛け、家へと入る。
「ただいま」といつもの声量で言ったけど、どうやらまだ気付かないらしい。
足元をみると、靴が……女性物もある?
「……ただいま」
「コウちゃん? おかえりなさいっ」
え。っていうか、この女性は誰……。
「あ、おかえり」
「コウ。おかえりー」
続けて言った、孝四郎と“チハル”を見て察する。
「あ――」
「憶えてる?」
「『アキラもアキラも』の、アキラちゃん」
そうか。チハルの妹のアキラちゃんだ。
「えー。なに? それ」
口を尖らせて、拗ねるようにおれを見つめるアキラちゃんは、もうあの頃のような子どもじゃない。
女の子は変わるっていうけど、ハーフだからか、アキラちゃんはすごい大人に見えた。