【続】隣の家の四兄弟
【ぜひお会いしたいです】
受信メールの一文を見て、一瞬息が止まる。
だけどすぐに、宛先のアドレスをみて発狂しそうになった。
っっだーーーー!! なんなのよ! この! タイミングで!! 迷惑メールとかありえないんですけどっ!?
ムカッとした私は携帯を投げつける勢いで苛立ったけど、そこは堪えてぎゅっと携帯を握りしめる。
わなわなとさせた手から、机に携帯を戻すと、途端にまた虚しくなった。
「はぁ」
気にしなきゃいいのに。
期待なんかするから、こんなにがっかりもするのよ。
初めから期待なんかしなきゃいい……って、それが出来ないから恋って厄介だ。
バカ聖二。バカ。バーカッ。
せめてもの腹いせで心の中で子どものように悪態をつく。
すると、また携帯が鳴った。
ピクッと反応する私。
いや。いやいや、でも、もう騙されない。
どうせまた似たようなチェーンメールか、どっかのメルマガあたりでしょ。べっつに、慌ててメールの確認なんかしないしっ。私、忙しいしっ。
「その手はもう引っ掛からないんだから」
ふふん、と誰に聞かせるでもなく高慢的に鼻をならす。
……あれ?
ふと、着信音に耳を澄ませる。
この音って、本当に電話の方じゃない!?
それに気づいた私は、まるでどこかのコントのように慌てふためく。
そして意味もなく立ち上がったときに膝を打ち。「いたっ」と手を机に置いた流れでノートが破け。
――もう! なんなのよ、ホント……。
涙目になりながらも、電話の存在が一番で。
画面を確認すると、知らない番号が表示されてて、はた、と止まった。
これ、誰だろう……?
知らない番号。思い当たる節もない。そして鳴りやまない着信音。
「……はい……?」
恐る恐る電話に出ると、一拍おいて、聞き覚えのある声がスピーカーから聞こえてきた。