製菓男子。
販売スペースはまたわたしだけになってしまった。
もうひとりの作り手である宮崎ゼンさんは、すでに二階へ行ってしまっている。
もうレッスンが終わるまで戻ってこない。
わたしは豪雪地帯で孤独死してしまいそうな心境に陥ってしまっている。
そんなガクブル状態の中、ひとりふたりとお客さんが「なんでアンタがレジしてんのよ」という猛吹雪的な鋭い視線を送ってくる。
「もうこれしかないの?」
「申しわけありません」
わたしも数年前まで女子高生だったけれど、三年も経てば立派なオバサンだ。
女子高生は未知のエイリアンで、地球を襲う侵略者だ。
女子高生というだけで、わたしは過剰に怯えてしまう。
それが伝わってしまったらしく、「その態度はなに?」と茶髪の女子高生は怒り顔だ。
(高校生なら学校に行っている時間じゃないのかな)
そんなことを心に秘めながら、精一杯「申しわけありません」と頭を下げる。
「そんなに謝られるといじめた気分になるからやめてくれるー?」
「申しわけありませんっ」
「だから、その態度がいけないって言ってんでしょ」
「ごめんなさい―――」
「言葉を変えればいいって問題じゃないっ」
その女子高生はエイリアンからヤマ猿に変貌したみたいで、キーキーキーキー叫んでくる。
もとからコミュ障なわたしに、そんな彼女を鎮めるスキルなんてあるわけがなくて。
とにかく恐くて、涙が滲んでくる。
もうひとりの作り手である宮崎ゼンさんは、すでに二階へ行ってしまっている。
もうレッスンが終わるまで戻ってこない。
わたしは豪雪地帯で孤独死してしまいそうな心境に陥ってしまっている。
そんなガクブル状態の中、ひとりふたりとお客さんが「なんでアンタがレジしてんのよ」という猛吹雪的な鋭い視線を送ってくる。
「もうこれしかないの?」
「申しわけありません」
わたしも数年前まで女子高生だったけれど、三年も経てば立派なオバサンだ。
女子高生は未知のエイリアンで、地球を襲う侵略者だ。
女子高生というだけで、わたしは過剰に怯えてしまう。
それが伝わってしまったらしく、「その態度はなに?」と茶髪の女子高生は怒り顔だ。
(高校生なら学校に行っている時間じゃないのかな)
そんなことを心に秘めながら、精一杯「申しわけありません」と頭を下げる。
「そんなに謝られるといじめた気分になるからやめてくれるー?」
「申しわけありませんっ」
「だから、その態度がいけないって言ってんでしょ」
「ごめんなさい―――」
「言葉を変えればいいって問題じゃないっ」
その女子高生はエイリアンからヤマ猿に変貌したみたいで、キーキーキーキー叫んでくる。
もとからコミュ障なわたしに、そんな彼女を鎮めるスキルなんてあるわけがなくて。
とにかく恐くて、涙が滲んでくる。