製菓男子。
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同じトヨタ社でも、僕の愛車であるエポックと藤波が乗るアルファードでは違いが多すぎる。
当たり前のことではあるが、僕の乗る軽自動車はまるでおもちゃのようにハンドルが軽い。


運転に慣れる前に若葉高校に着いた。
来賓用なのか職員用なのかよくわからなかったが、数台置ける駐車場に車を停める。


「こっちです」


藤波さんは震える手を硬く握って僕を案内してくれる。


若葉高校は本館と呼ばれる建物から腕のように教室棟が伸びていて、右胸あたりに体育館、背中あたりに理科棟がある。
駐車場と来客用の入り口があるのが左胸あたりだ。
僕たちは本館を通りすぎ、連絡通路を横切った。


「どうしてリコちゃんが理科棟の踊り場を選んだのか、わかった気がします」


理科棟は両脇に階段があるそうだ。
その左端にある階段の、三階に行く踊り場には窓がついていて、そこから見上げると丁度本館にある音楽室が見える。
そして三階に上がりきると、本館側にではなく、反対側に窓がある。
理科棟はグランドに面しているから、そこから音楽部が走り込みをしている姿が見えるらしい。
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