製菓男子。
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藤波チヅルに初めて会ったのは先週の月曜日、店の定休日のことだ。


休日くらいゆっくり寝ていたいのにミツキに電話で起こされ、店へ向かった。
僕が着くとすでにミツキがいて、その隣にはなぜか藤波エイタがいた。
藤波は高校からのつきあいで、ミツキは僕よりも長く小学生の頃からになる。


「エイタの妹に、働いてもらいたいと思っているんだよね」
「これから面接するの?」


ミツキは首を振って「連れ出すんだ」と言った。
いつもなら饒舌な藤波は不機嫌に顔を歪め、上着のポケットに手を突っ込んでいる。


「それもちょっと強引に」
「どうして?」
「引きこもりだから」


藤波は一斉喋らないようだった。
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