製菓男子。
「その話、全部藤波さん?」
ミツキはさっきから“みたい”という言葉が多い。
これだと少年本人から聞いていない部分も多いだろうと思う。
「ゼンは聡いなぁ。そのとおりだよ」
「どうしてわかるの? やっぱり知り合い?」
少年と同じように、疑問が湧くのを止められない。
「初対面だと思うよ。なにせチヅルちゃんは引きこもってたんだから」
会話が極端に苦手な藤波さんが、この短時間で少年の背景を聞きだす技術があるようには到底思えない。
「じゃあ、なぜ?」
ミツキはゆっくり目を瞑って、かすかに口角をゆるめている。
「まだ、教えてやんない」
ミツキは湖のような、さざなみの立たない静かな笑い方をした。
これ以上深く聞けない。
ミツキはさっきから“みたい”という言葉が多い。
これだと少年本人から聞いていない部分も多いだろうと思う。
「ゼンは聡いなぁ。そのとおりだよ」
「どうしてわかるの? やっぱり知り合い?」
少年と同じように、疑問が湧くのを止められない。
「初対面だと思うよ。なにせチヅルちゃんは引きこもってたんだから」
会話が極端に苦手な藤波さんが、この短時間で少年の背景を聞きだす技術があるようには到底思えない。
「じゃあ、なぜ?」
ミツキはゆっくり目を瞑って、かすかに口角をゆるめている。
「まだ、教えてやんない」
ミツキは湖のような、さざなみの立たない静かな笑い方をした。
これ以上深く聞けない。