アラサー女子
そこは社内でよく行く居酒屋で、二人で来るのは二回目だった。

『生二つ』

『はい』

おしぼりとお水を持ってきた店員さんに、大倉さんが頼んでいた。

『お酒飲まないと、本音聞けないから』

そう言われ、私はなにも言えなかった。

私は、お酒の力を使って、どれだけの暴言を言っているのかと思い、大倉さんの顔を見れなかった。

今いる課のメンバーで一番過ごした時間が長い大倉さん。

過去の失敗談が、頭に浮かんだ。
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