カレカノ。
ねぇ、してよ。



ねぇってば。



振り返って、あたしに笑いかけてよ。



あたし待ってるよ?



あなたのこと待ってるのに。




「ねぇ、」



勇気を出して。



前を進むあなたを、



あたし引き止めてみる。



少し足りない勇気に、



袖を掴むのが精一杯だけど。



「ねぇ。」



振り返って、笑ってよ。




頬を伝う涙が冷たくて、またあたし馬鹿みたいだなって思った。



「何泣いてんの。」



そんなこと言われたって、でも、その言葉にはすごく優しいものがあって、



あたしは、これでいいんだって思った。




すると彼からの突然の言葉。



「おめでとう。」



照れて言えなかったけどって、はにかむあなたがいて。



あ、これはあたしがずっと勘違いしてたんだって気付いたんだ。



「もう、16だもんな。」



今日は、あたしの誕生日だった。




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