太陽と夜に舞う月 前編

「ちょ!?はっ!?」

耳まで真っ赤になっていくのが自分でもわかる。なになになに?どーした?変な奴とは思ってたけど、まさか変態だったとは!

「離し「ダメだよ。」」

…え?男は続ける

「離さない。その涙目が乾くまで離さない。」

う…そ…
涙目?私が?
そっと目尻に触れると水滴が付いた。

「っっ!?!」

どー…して…なんで泣きそうなの…
わからない……わからない………

…わかりたくない…

「君が泣きそうな理由は聞かない。」

男は温かい。仕方ない 少し落ち着くまで胸を借りよう。
静かに胸に顔をうずめた。

「改めて、俺は泉谷悠馬だ。よろしくな月詠!!!」

男、いや、悠馬はまたあの笑顔で笑いかけた。

なにこいつ?むかつくなぁー
いきなり助けるし、顎持つし、抱きしめるし……
それでも、それでも…この温かさに、この笑顔に少しでもすがりたいと思ってしまう……

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