太陽と夜に舞う月 前編

腕を強くひきながら、階段を降りてゆく。

いたい…
腕がジンジンしてきたわ…手型ついたらどうしてくれるのかしら?

連れて来られたのは授業に使われていない空き教室。

「…。」
「…。」

……え?何で沈黙なの?あなたがここに連れてきたのよね?早く用件言ってよ。
授業さぼるのは不本意なんだから。
というか…

「う…で…。腕離してよ?」

いたいんですけど?

「あっ!!ごめん……」

パッと離されたけどヒリヒリするし、袖をめくるとやっぱり赤くなってる…
仮にも女の腕をこんなに強く握っていいと思ってるのかしら?
腕をさすりながら

「それで…何かご用?」

あくまでにこやかに…

「…あのさ…俺、お前を初めて見た時から・・・ーー」

!?もしかしてこのタイミングで告白?え?こいつも、周りと変わらないのか…

「お前の笑顔が嘘だって気づいたよ。」
「・・・。はっ???」

え?何?どーしたの?
いきなりすぎて頭がついていかない…

「だからさ、作り笑い…ずっと作り笑いだったよな?それさ、やめたら?」

な、なんで?突然そんな事言われて よくわかったねー なんて笑いとばせない…てーか笑えないわ…。

でも、そっか…気づかれてたのか
なんか悔しいわね…
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