太陽と夜に舞う月 前編
「な、なんで?どーしたの?いきなり。ニコッ」
早水は黙る。何かを言いたそうに、眉間に皺をよせながら…
なによ。なんなの?言いたいことがあるなら言いなさいよ…その綺麗な瞳で……私を見ないで……
「まだやるんだ。貼り付けたような笑顔。周りのやつは騙せても俺は騙せない」
……どうして会ったばかりの奴にこんなこと言われなきゃならない?
どう切り替えしていいかわからないわ…………
「言いたかったのはそれだけ。」
じゃ、と言って教室を出て行った………
ちょ、ちょっと待ってよ?早水は結局何が言いたかったの?
俺は見抜いてるよ
って、言って何がメリットになる?
私を脅したかった?なんのために?
…………。
やっぱりわからないわ。理解不能。
でも、これだけはわかった。
「あいつについて、知る必要がある…私になんの目的で近づいたのか…」
そー。私は早水のことを何も知らない。