太陽と夜に舞う月 前編

…嫌いなタイプだ…
一目でそう思った
口元はヘラヘラしていても、細くこちらを見てる目は殺気で溢れている…

ジャリッ
ドンッ!

「っ!!」

背中にひんやりとした壁の感触があった。気づかない内に後ずさっていたなんて……

「そーんなに怖がんないで?変なことしないよ?ww」

男のニヤつきが鋭いものに変わると、一瞬で距離をつめられた。

ポケットに手を入れたままの男は、真剣な眼差しから一変、またニヤニヤしだして顔を覗き込んできた。
そして、耳元で…

「あなたは、ここにいるべき人ではない。早くお戻りください。月詠様。あのお方がお待ちで「うるさいっっっ!」

ハァハァハァ…

「…そのように言われましても、何も怖くありませんよ?」

キッと睨むも男は笑ったまま…。

「手荒な真似はするな…と、強く仰せ使わされてるもので…」

言葉とは反対に男の右手が私の首元に伸びてくる。

イヤだっ!!

男の右手を振り払い急いで反対側に駆け出す。真っ暗な中、脇目も振らず走ってやっと灯りが見えてきたのは24時間営業のファミレス。
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