太陽と夜に舞う月 前編
男はふらりと立ち上がると頭を抱えながら「いってぇーー」と言い、私の方に顔を上げよーとした…が…

バコッ!!!

そんな鈍い音と共に男はまた倒れた。
私は一瞬何が起こったのかわからず、ただ目を見張っていた…

「たくっ。しつこい男は嫌われるよ?」

そんなことを言いながら、古賀優麻は首をコキッとならした。
私がぼーとしてると、
「今、俺が何したかわかった?」
と嬉しそうに言った。

私はしばらく驚きのあまり、何も口には出せなかったが、しっかりと目には残っていた。男が顔を上げようとした瞬間に、古賀優麻の長い足がヒュッという音をたてて、男のこめかみにめり込んだ。

「あなたの足が男のこめかみにめり込んだわ」
私は冷静を装った。
「そっか。さすがだね!」
「?」
「それぐらいの、洞察力がないと困るからね」ニコッ

?何を言ってる?
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