不等辺三角形。
マンモス校のこの学校は、
3年生だけで300人ほどの人数がいる。
その中で、ステージ発表の出演者は25人。
少ない人数だが、もともと募集に集まった人数自体少なかったから問題なかった。
「本当に行くのかよ。
吉田に押し付けられただけだろ?」
横で、朔(さく)が言った。
吉田というのは、この発表の担当の教師のことだ。
「お前だって出るんだろ?
ならいいや」
その日は、ステージ発表に出る生徒の初めての顔合せの日だった。
「俺は、合唱の前の物語を読む方だよ。
一応、合唱も出るけどさ」
そう。合唱だけでは時間が足りなかったらしく、その前に今年の県の創話コンクールで銀賞をもらった朔にその話を話してもらうらしい。
「なら、いいじゃん」
俺は、ほとんど暇つぶしのつもりこの募集に参加した。
成績は常に10位以内をキープしているから、問題ないという自負もある。
ガラッ
集合場所である、第3理科室のドアを開けた。