不等辺三角形。
教室の空気は、予想していたより騒がしかった。
先生が来ていないせいか、各々が雑談タイムに入っている。
「あれ、潤(じゅん)?」
教室の奥で、数人のグループに交じって話していたのは三上 潤(みかみ じゅん)。
小学校から仲が良かったが、
中学に入ってからは すれ違うときに挨拶を交わす程度になっていた。
「潤も出んの?」
これは意外じゃなかった。
潤は、こういう目立つステージに向いてる。
「うん。
先生から言われただけだけどさ」
潤は面倒くさそうな顔をした。