不等辺三角形。
翌日。
学校では、華純とも潤ともいつものように話した。
潤だってクラスの離れた華純に毎時間会いに行くことはなかった。
華純と潤が付き合っているということに
実感が伴わない。
伴って欲しくもない。
「景ちゃん」
廊下で華純と会うと、いつものトーンで話しかけられた。
今はその顔は見たくない。
そんな理性とは裏腹に、
どこかで嬉しいと感じている自分がいる。
「あー…、おめでと」
「え? あぁ…うん」
華純が俯いた。
顔は見えないが照れてるんだろう。
可愛い………、
そんなことを思ってしまう自分がいじらしい。
「あ、あのさ、昨日電話したんだけど…」
「マジで? ごめん、気づかなかった。
急だった?」
嘘をつく。
自然に演じれていたかどうか不安だ。
「全然! 今週の土曜日にね、文化祭の打ち上げしようって思ってさ。
合唱のメンバーだけど、来れる?」
「あー、多分大丈夫。
行きたい、どこ?」
できるだけ自然に。
そう思うほど、表情がひきつるようだった。