姫はワケあり黒猫様




他のクラスより、だから。



うるさいもんはうるさいから。



顔を顰めて教室のドアを睨んでると洸が笑いながら私の頭をポンポンと撫でた。




「うるせぇけど、我慢しろ。



なんたって不良校だから」



自慢気に言うな、自慢気に。




心の中でツッコミながら教室のドアに手をかける洸を見た。



「俺が来いっつたら来いよ?」




……行かないであげようか?



なんて冗談言える訳もなく欠伸しながら頷くと、洸は笑いながら教室のドアを開けて入っていった。





「おーい、お前等黙れー」



「「「……………」」」



一気に静かになった【1-S】と書いてあるプレートがぶら下がってる教室。




……何が起こったんだい?



不思議に思いながら欠伸を連発していた。





いや、マジ本当眠い。




「那琉~」





む、呼んだかい?




教室の開いているドアから入ると洸が笑いながら私に手招きした。





むぅー…


子供扱いされてる気がするけど、まぁいいか。





少し緊張して固くなってる体を動かして洸の隣に立った。





思い切って教室を見渡すと、体から力が抜けていくようだった。







男、男、男男男男男男男男男男……







なんじゃこれぇぇえ‼





叫びたくなりながらも必死に抑えて目を瞑った。







待て。



一目見ただけでも紫と青はいた。



それはいい。




何だよピーコックグリーンて‼



何洒落た色してんだよバーカ‼



外人でもそんな色してねぇよっ‼





色んな思いが沸々と心の中で煮えたぎりながら冷静を装った。





洸は苦笑しながら「自己紹介」と呟いた。





……せんせー、こいつ等にする必要はありますかー?





そう思いながらも声を出した。






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