姫はワケあり黒猫様
「ちょお、まっ、はぁぁあ?!」
『……何か?』
「いやいやいや、何か?じゃねぇよ‼」
『うるさいな‼問題簡単だったんだもん‼』
「はぁ!?
ここの問題は結構難しいとこの引っ張り出してんだぞ?!」
『知るかッ‼』
狂気に溢れている夕季を……見なかったことにしよう、うん。
1人自己完結していると、隣から声がかかった。
「那琉は頭いいぞ~。
なんたって、飛び級で大学行ってそのまま卒業してきたからなぁ。」
「……」
『……』
「「「はぁぁぁぁああ?!?!?!」」」
『洸のばかぁぁぁぁぁあ‼』
……今思うと、自分でも煩かったんだろうな、と感づく。
『洸のばか…』
「悪い悪い、でも俺が言わなくてもそのうちわかってたことだろ?」
若干申し訳なさそうに言う洸に殺意を抱きながらもその場で俯いていた。
「ほー。しかも外国のですか。
どおりで英語の発音が妙に綺麗だし、よく口に出すのか」
そう。
私はアレから海外に逃げた。
頭は元々ズバ抜けて良かったと、お母さんも言ってたから。
『………うん、あの頃のクセが抜けないみたい』
違う。言い方が違うでしょう?
私は、今でも
海外に居たかったと嘆いている。
それに、思い出の深すぎるこの地は
居るには、辛すぎる。