姫はワケあり黒猫様
「那琉ぅ、お願い…」
『……んむぅ…』
今、絶賛おねだりされ中。
紅羅が倉庫に泊まってくれ、と聞かないのだ。
『何で?私、ベッドで寝たいの!』
「…やだぁ」
目をウルウルとさせ上目遣いに私の服の裾を引っ張る。
はぅっ!
ダメ!それはダメだ紅羅!
可愛さに耐えるの限界っ!
玲に視線で助けを求めると玲は呆れたように紅羅を見てから私を見て首を振った。
「…泊まってってやれ」
『っ玲ぃぃぃぃい‼』
横に首を振らないでくれッ‼
「やった!」
「那琉、悪い」
苦笑した佳祐が申し訳なさそうに言ってくるが、その隣で爆笑してる遠矢クンは何なんだい?
「はー、腹減った」
お腹を押さえてぐでっとしてる夕季はあくびをしながらずっと呟いてる。
『夕季、自分でご飯作ればいいじゃん』
「あ?今日は作るのめんどくせー…」
「ファミレス行く?
那琉も、その手じゃ痛いだろーし?」
響が私ので見ながらあくびを噛み殺してそう言う。
響、色気以外何か影薄いよね。
だが、それは作者の配役ミスだ。
私を恨むんじゃないぞッ!
←しんがーい
『響、コンビニでタバコ買いたいだけじゃないの?』
「…まぁ、それもある」
あるのかい。
半ば呆れながら楽しい会話に胸をポカポカさせていた。
結局、ファミレスでご飯を食べることになった。