姫はワケあり黒猫様




「ファミレスって無難」


「うるさいよ」


紅羅がボソッと呟くのを聞き逃さなかった遠矢は黒い笑みを浮かべて座る。





勿論、私は玲と紅羅に挟まれてる。



向かいには遠矢が座ってる。




『……お腹空いてないなぁ』



口を尖らせると玲がメニューを私と半分で見始めた。





『……玲、聞こえてて見させてるでしょ』



「それ以外に何がある?」




『……ウザッ』



ケラケラと皆が笑いながらメニューを見る。





……やつぱり、あったかいね。




上がる口角を抑えることもできず不気味に口角を上げたままでメニューを見ていた。




『……玲、クリームパスタにしようとしたでしょ?』



「……何で?」



『思っきり見てたから』



「……」



玲って、微妙な所でわかりやすい。




「クスクス……アホだね、玲」


「るせぇよ」



「「ブフッ」」


優がつっこんだのを聞いてか、夕季と響が吹き出した。





……いやいや、きたなっ!ふくなよ!





「頼むけど、いい?」




……いらないし、いいかな。




そんなことを思ってると、佳祐と響が面白そうに笑いながら私にメニューを差し出してきた。


「那琉、何にすんだ?」


響がそう言うから首を傾げて口を開こうとしたら、黒いモノが視界の端を掠めた。


「……那琉も頼むんだからね?」





ひぐっ‼




『悪魔…』


「うん、な ん て ? 」




『ごめんなさいぃぃぃ!!!!!』




謝りながら玲に隠れながら玲とメニューを見た。






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