姫はワケあり黒猫様
『はー、食べ過ぎてお腹痛い…破裂する』
「「ふざけんなバカ」」
「あれで胃が破れるなら考えモノだね」
遠矢がケタケタ笑いながらそう言う。
『ほんとうだって!何ならお腹見る?』
「うわぁぁああ‼やめろ‼」
夕季が顔を真っ赤にして顔を逸らす。
『冗談に決まってるでしょ。
変態じゃないんだから』
「う、うるせぇよ‼」
「那琉のことだから本気かと思った」
………どう言う意味だこら。
頬を引き攣らせると玲と優が笑った。
響と佳祐は爆笑してるし。
何なの、あの子達。
苛立ちを感じていると紅羅が私の服の裾を掴んだ。
「倉庫では俺の服貸すよ」
『………?う…「俺の貸しとくからいい」
ん、と言おうとしたら玲に遮られた。
「えー、俺のが一番那琉に近いじゃん」
「…どれも一緒だろ」
「独占欲強い男は嫌われるよッ‼」
「何とでも言え」
鼻で笑った玲と紅羅の話を聞いて、何となくわからなくて放置、という形に私の中でなった。
倉庫にはまだまだ皆いっぱい居た。
「お風呂はあそこ!」
色々説明を受けた後、客人用の部屋を借りることになった。
といっても、部屋も綺麗で広かったのでびっくりした。