姫はワケあり黒猫様
『お風呂って、順番?』
「那琉から入る?」
『………出来れば1番最後がいい』
一応、申し訳なさそうに言ってみると佳祐はキョトン顔で首を傾げた。
「何で?
一番風呂ならまだわかるが…最後?」
響も佳祐と思ってたことが一緒だったらしく不思議そうに私を見た。
『………』
「言え。
言わないと最初に入れるぞ」
鬼だ‼最低だ馬鹿野郎ぅぁぁあ‼
玲を睨むと、絶対の眼差しで私を見ていた。
……
そんなのに私が敵うはずもなく……
『………ら…』
「え?」
『熱いお湯、苦手だから‼』
「「「……」」」
『………』
「……ブフッ」
1番最初に笑ったのは、
笑い上戸の遠矢だった。
『ふくなぁぁあ‼』
きっと、私の顔は醜く歪みながら真っ赤になってることだろう。
「「ぎゃはははっ‼」」
佳祐と夕季も下品に笑い始めて、優と響も肩を震わせていたから…笑ってる。
玲も隣で顔を手に隠しながら肩を震わせてるから……
『悪かったなぁぁあ‼』
柔らかい雰囲気の中、佳祐達の笑い声は響いていた。