姫はワケあり黒猫様





『ふう……』



何とか最後に入れてもらえた。


玲がお湯を足そうとしてたのを阻止すると、玲は悪戯っぽく笑った。





少し顔が赤くなるのを感じてお湯に顔ごと浸かった。






……ふぅ。




出ようかなぁ。



お湯が究極に水に近い温度になってきた頃にお風呂から出た。




新品らしい下着をつけると、ピッタリで少し……大分、不気味に思えた。


渡された着替えを広げると…



『…デカ』



とても大きかった。





とりあえず上だけ着てみたら片方の肩がずり落ちた。




……



着れるかボケ‼





『どうしろってゆーの…』






丈も膝の少し上ぐらいだし、ズボンも緩くて落ちる。




…このまんまでいいか。





髪を拭きながら皆の部屋に向かった。





ガチャ





「あ、なーーー」





紅羅が顔を輝かせたと思ったら、次は目を瞬かせた。





皆も私の方を向いて固まった。





『ズボン、おっきい』




ムスッとした顔でそう言うと、遠矢は口を引き攣らせて笑った。





「な、那琉…」




「……」





玲は黙って私の腕を引っ張って隣に座らせた。




『何』




「……そのまま絶対動くな。」




そう言った玲は目を瞑って背もたれに身を預けていた。




その後はぎこちない雰囲気が流れていたけど、少し経った頃には皆で笑いながら話をした。






一通り喋ったら、眠くなって私は1人、与えられた部屋へ寝に行った。









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