姫はワケあり黒猫様
『……ん…』
冷たい汗が首を伝って暑さで目覚めた。
目を開けると、どこかわからない部屋の天井。
……
Why?!
『あ、泊まりに来たんだ』
1人で納得して欠伸を零すとドアが静かに開いた。
「那琉……」
『あ、玲おはよー』
「……」
む、返事をしないのはだめだぞ。
てか、無視されたんですけど?!
「……あー…」
玲が片手で顔を覆いながら私を指差した。
『……何?』
「……下着、見えてる」
……
『……すまぬ…』
もう、ショックすぎて叫ぶ気力すらなかった。
「…先行ってる。
それから、コレに着替えて幹部室来い」
玲は私に黒のTシャツとショートパンツを投げて部屋を出て行った。
…玲の顔が赤く見えたのは、気のせいかな?
熱?
いや、玲は頑丈そうだし、ないな。
その服に着替えて私も、いつもの部屋に向かった。