姫はワケあり黒猫様
『おはよー』
「おはよっ、那琉!」
紅羅が可愛く目を輝かせながらぎゅっと私に抱きつく。
うん、力が強いよ紅羅ちゃん。
『紅羅ちゃん、力強い』
「……何、ちゃんって」
睨むように私を見上げる紅羅はハッキリ言えば怖くない。てか可愛い。
『ごめんごめん。』
頭を撫でて玲の隣に座る。
「おはよ、那琉」と皆眠そうにだけど柔らかくそう言ってくれた。
「んん゛~!疲れた、」
伸びをして変な声を出しながら朝から疲れたと言う響に疑問が残る。
『朝から?』
聞くと、不気味にニヤリと嗤う響。
「……朝だから、だろ?」
…?
『……何で?わからない。オブラートに包まないでよ』
「ヤッて来たんだろ」
すかさず夕季がポッキーを口に含みながら皆に聞こえる程度に呟く。
………………
『オブラートに包めよ‼』
「包むなっつったんお前だろ」
夕季は持っていた雑誌をめくりながらポッキーをがじがじと噛んで短くしていた。
『聞きたくなかったぁぁ…』
「朝っぱらから気分悪いこと言うなよ…」
佳祐が頭を押さえながら溜息を吐いて言ったが言った本人はしれっと雑誌を読んでいた。