姫はワケあり黒猫様
「那琉はウブだね~。処女?」
『間違っても聞くなボケっ‼』
顔を真っ赤にして答えると「だろうね~」とケラケラ笑いながら響はタバコを吸った。
『わいせつ罪で訴えてやる!』
「お好きにどうぞ~」
何も感じてないかの様にタバコを吸いながら笑う響は、私がそんなことできないと確信しているんだろーね。
イラっとする‼
「お前等、そんくらいにしとけ。
てか、もうすぐーーーー」
コンコン
……え?
ドアがノックされた音がして、そんな音が初めてで目を見開く。
「ほら、言ってるうちに来た」
遠矢が佳祐の言葉をつなぐ様に言いながら「ハイ」と応えた。
「失礼しますね。」
入って来たのは柔らかい雰囲気の、初めて見る男の人だった。
てか……
ノック、した。
常識人初めて見たよッ!
うるうると目を潤ませているとその男の人は私を見てニコリと笑った。