姫はワケあり黒猫様
「黒鷺 那琉さんですか。」
『え、』
突然名前を呼ばれ間抜けな声を出す。
男の人は一瞬キョトンとした顔を見せてクスクスと笑った。
「噂通り、面白いお方ですね」
「南美何してんのー?
早く入って?」
「………鉄平、失礼ですよ」
後ろから出てきた人はのほほんとした雰囲気のまた、優しそうな人。
「あ、那琉さんや那琉さん!」
少し鈍っている言葉に首を傾げると「俺少し方言入ってるんやわ」と答えた。
テレパシー、恐るべし。
「鉄平、黙れ。
さっさと挨拶して入れ」
鉄平さん(らしい)の頭を叩く冷たそうな雰囲気を纏う人。
その後ろには眠そうな人が待機している。
……これは何の集団だ?
玲に肩を抱かれて驚いたけど、玲は楽しそうに口角を上げていた。
「では、改めて失礼しますね。」
ニコリと笑いながら客人用ソファ(優いわく)に腰掛けた4人。
座ったのを見て玲は口を開いた。