姫はワケあり黒猫様
本物の誘拐じゃにゃいか‼



コク、コク………ガクッ



『……うぐっ‼』


テーブルに顔面を叩きつけて起きた目覚めの悪い朝。



いったぁ〜〜………





鼻を摩りながら顔をあげた。





ケーキを食べて片付けして…



寝た。




うん、寝た。




………まぁ、今日くらい。←



『今何時……』




目をこすりながら時計に目を向けるとフリーズした。






……





8:48 …









『ああああぁぁあ‼』





思いっきり叫びながら椅子から立ち上がって部屋に駆け込んだ。





クローゼットから制服を取り出したところで、動きをピタリと止めた。



……もー、どーせ遅刻だしぃー。




いいや。



そんな事を思いついてのんびりと準備を再開した。






ーーーーー




『ふぁあ……』



朝ごはんがわりのチュッパを舐めながら優雅に登校する私。





うわぁ、高校生ってカンジ!




まぁ、実質は寝坊して諦めてのんびりしているだけなのだが。




『あー…眠……』




欠伸を何度もしながら学校までの短い距離を見尽くしていた。



見ていてわかった事。



のどか。




はい、報告終了。




なぁんにも無い。



近くにコンビニと公園、廃ビルがあるくらい。




あとは全部住宅街。




ん?マンション街か?






そんな事を迷いながら前に足を進めていると、校門が見えた。





……




カラフルなたくさんの集団と共に。





一瞬足を止めた。



『……』





あぁ、朝から毒々しいよ。皆様よ。




そこに行くのを憂鬱に感じながらも通り過ぎればいいと足早に校門に向かった。






近くに行くに連れ、悲鳴のような嬌声が聞こえてくる。



うるさいな‼



とか叫んでやりたくなりながらも、必死に抑えて人で溢れている門をくぐろうと葛藤していた。








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