姫はワケあり黒猫様



『はぁ、はぁ……』




「大丈夫?ごめんね?」



笑いながらてへっと謝る桜地。


謝る気無いだろっ‼



とか言いたいとこだけど、息が切れすぎてて声が出せない。




『はー…で、何?』




息がやっと整って、桜地に問いかける。




「…逆に何が?」



ニコリと微笑みながら私を見る桜地の笑顔を横目に見る。




『お詫びなんかじゃ、ないでしょ?』




そう言うと、桜地は目を見開き驚いてから、笑い出した。




「勘は鋭いんだね」


『生憎、頭はキレる方でしてね』




「………ますます惜しいね」



目を細めて舌なめずりする桜地は細く白い自身の指を道路に向かって差した。




「もうすぐ、来るから」





………なにが?




首を傾げると桜地は笑いながら躊躇も無く道路に体を向けた。





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