姫はワケあり黒猫様
「3」
は?
「2」
何言ってんの?
「1」
ガシッと腹に腕を回され持ち上げられる。
『はぁ?!』
「じっとしてないと死ぬよ」
『な……』
すると、すぐ後ろらへんを一台の大きい車が通る。
その車の扉は開いてて……
『まさかっ…』
「よっ」
すごいスピードを出す車の屋根を掴んで体を車の中に自信と共に投げる様に入れる。
『きゃぁぁああ‼』
恐怖で涙が目に溜まって叫ぶ。
だけど、すぐに風がなくなり、瞑っていた目を開けた。
「はろぉ、那琉」
ウィンクをしながら微笑む佳祐。
隣には涼しい顔をした桜地が座っている。
『……えと、どういう状況?』
夕季、響、紅羅、遠矢、玲も居る。
「前に逃げた罰だ」
桜地とは逆の隣に間をあけて座っている玲が口角を怪しげに上げて私を見た。
その顔に嫌な予感を感じる。
……できれば逃げたい。
まぁ、叶わないんだろうけど…