姫はワケあり黒猫様





「夕季」


「…………」



夕季は私に自信が操っていたパソコンの画面を向けた。









『……は?』









間抜けな声に反応もせず只々呆然とした。







画面には、






ーーーー



蒼月の周りに女。



女は姫とされる。





蒼月総長のオンナだ。







狙え、そして










捕まえろ。









ーーーー






そんな書き込みがかの有名なサイトに投稿されている。





それを見て何も言う事ができない。






最後には私の写真が張られていて、どう考えても…私。






顔を上げて皆を見渡すと笑っている。





……何故に笑うっ?!




『ま、ちょ……私別にあんた達と関係ない…』



「あるだろ?




この書き込みで」





玲は怪しげに笑って私を引き寄せた。





「お前、これからは普通に暮らせなくなる。





俺等の弱みになっちまったんだから。






毎日危険と隣り合わせだ……





その確率を下げてやる事なら俺等はできるんだぞ?」






玲の言葉に何となく……言いたい事がわかった気がする。










「俺等の姫となって、守られろ」









……ほら、






簡単な考えの結路だ。









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