姫はワケあり黒猫様
「………」
『玲………』
「後悔しても知らねぇ………
俺は一生、お前を本当の意味で離さなくなるぞ…?」
その言葉に、今までの蟠りがすべて解けてしまったように感じた。
『っ離さないでくれたらいいじゃん…‼』
言葉を塞がれたのは
玲の温かいキスのせいだった。
「……俺はアメリカに行くよ」
『……うん』
「勉強必死にして、会社継いでお前を支える。
絶対だ。
絶対、帰ってくる」
『……うん…‼』
「だからな、那琉」
そっと私の横髪を掻き上げて耳に口を寄せた玲は、囁いた。
「待ってろ。
絶対、戻ってくる」