姫はワケあり黒猫様
そのメンツの子はピタリと行動をやめてフリーズしていく。
……What?
怖いんですけど。
顔を引き攣らせながらそれ等を見てると、悲鳴が上がった。
「女ぁぁぁああ?!?!?!」
大きな声に耳がビンビンして、びくりとしてしまい玲の後ろに隠れた。
「れ、玲さん!追い払います!すみません!」
「蒼月に入ってくる女がいるかよぉ…」
「…こいつに、触るな」
メンツの子が私の腕に手を伸ばしかけた時、玲は低い声でそう言った。
その言葉に不思議そうに、困惑したようにメンツの子達はどよめいた。
「お、女…すよ?」
「…こいつはいい。」
「そ、そうなんすか……」
メンツの子は目を泳がせながら手を下ろして頭を下げた。
「無礼をお詫び申し上げます」
「……いや、急に連れてきたし…悪かったな」
「いえ。」
メンツの子達と少し会話をしてから玲は私の腕を引っ張った。
そのまま地下への階段を降りていく。
遠矢も私達の後に少し離れてついてくる。
「………他の奴を、じろじろ見るな」
『………?』
首を傾げるとはぁっと溜息をつかれたものの、何も言われなかった。
遠矢は後ろでクスクスと笑っていたけど。