姫はワケあり黒猫様
ご挨拶はにゃんにゃんで。
ガチャ
地下室への階段を上がったその先には沢山のカラフルな光が見えた。
それに目を細めると、玲が隣でふっと笑ったのがわかった。
だけど、それに目が慣れると開いて、今度は思いっきり目を見開いた。
THE カラフル。
まぶしいと思った虹色は頭髪。
そう、髪の毛。
沢山の色をお持ちですね、皆様。
え~と?
ピンク、紫色、青、黄色、白……(白?!
その中のステージらしき一段上がったところに玲は行ってしまった。
私が目を見開いて固まっていると佳祐が笑いながら私の肩をポンっと叩いた。
その衝撃にクルリと佳祐を見ると、佳祐は悪魔の様に微笑んで「行って」と言った。
悪魔だ‼
人間の皮を3枚くらい着た悪魔だ‼←
『いやいやいや、女の子をそんな扱いしちゃイケマセンヨ』
「何で最後カタコト?まぁ、いいや。
那琉なら大丈夫!
何かあったら多分、助けるから」
多分って何だ、おい。
ギギギッと音をたてそうなほどぎこちなく動いた首はもうバネの様に逆戻りしそうだ。
『ひぎにぃあ…』
自分でも訳の解らない言葉を発していることは自覚しているが、どうにも口から漏れるのだからしょうがない。
視線の先にはカラフル頭髪☆
……☆じゃねぇよ、☆じゃ‼
今の気分囧だよ、囧‼
……ハー…
『…何でも?』
「何でも」
『どうしても?』
「どうしても。』
『ぜ「絶対。命令。はい、行け」
鬼‼悪魔‼バケモノ‼
心の中で散々悪態をついた後、玲の居るステージの真ん中にのろのろと歩いて行った。