姫はワケあり黒猫様
それに必死についていった所にあったのは、さっきの車。
あ、送りってまさかの車だったんだ。
まぁ、何となく予想できてたけども。
玲が躊躇なくその中に入り込んでいったので、開いたドアから追うように車に乗り込んだ。
「何処までですか?」
丁寧に話す学生服らしきものを身に纏っている運転手さん。
え、学生って、取れるっけ、免許。
そんな疑問を頭の中でグルグルと考えていると、隣から「おい」と低い声が降ってきた。
チラッと見ると、眉間にシワを寄せた魔王様さまサマ。
……サマ。ひゃはは。←
『……何か?』
「何か?じゃねぇよ、無視ってんじゃねぇよクソアマ」
あぁん?
『クソアマで悪かったなッ‼
上等だクソオトコ‼』
「あ?てかさっさと質問に答えろ」
そう言われて怒りも忘れてキョトンとした表情を浮かべる。
『……質問?』
「……はぁ…
家、何処だか聞いてんだよ」
ん?
あぁ!
『あ、そっか、家知らないか』
「…勝手に調べてもよかったんだがな…」
『……遠慮しまス』
引き攣る頬を押さえながら道を見渡した。
……何処だよ。
『……あ、○×のコンビニ行ってくれればいいです!』
そう言うと、玲は「あ?」と低い声で唸った。